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□17.策謀の行方
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「な……リオネを寵姫に!?」

国王の執務室において、ルークは驚きを隠せず大声を上げた。


17.策謀の行方



「そうだ。シドから通達が届いてな。以後、彼女の身は私に委ねると言っている」

アルトアは椅子に腰掛けたまま、低く言葉を返した。

「そんな──兄が、そんなことを……!?何故ですか!」

激しい口調で問い詰めるルーク。
アルトアはそれを鋭い眼差しで抑えつけた。

シャムール一座が密偵だということを知っているのは、アルトアとイベルト、カーム、リオネを除いて国王直属の騎士団のみ。

騎士団を信用していないわけではないが、『リオネは密偵シャムール一座の者だ』と意識する者が居れば、それだけ情報が漏れる恐れは強くなる。
ボルトアがどの様な手を使って探りを入れてくるか、シド達の身元がどこから知れてしまうか、分からない。
あらゆる可能性を最小限に留めておくために、リオネとシド達の繋がりは完全に絶たれたのだと思わせたい 。
アルトアは異議を覚悟にそう判断したのだった。

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