main story
□12.昼餐会
1ページ/16ページ
12.昼餐会
「もう、リオネ様ったら!!私達がどれほど殿下をお探ししたか分かりますか!?」
「ご、ごめんなさい……」
ユリアはかんかんに怒っていた。
コルトが私の部屋で寝ていたことに気付かず、城の人達はみんな徹夜で彼を探し回っていたのだという。
「これからは気をつけるから……」
「当たり前ですっ!!」
きぃぃん……と耳鳴りがするようなユリアの大声に、隣のコルトが怯えて私の後ろに隠れた。
私達はユリアに叩き起こされるなり、二人一緒にお説教を食らっていた。
その場にはルークも居たのだけれど……昨日、彼に抱き締められた私はかなりの気恥ずかしさが残っていて、まともに顔が見られない状態だった。
「まったくもう、殿下も何故部屋を出たりしたんです!?しかも窓から!!廊下に居る護衛兵に一言いえば済むでしょう!?万が一に大ケガでもしたらどうするおつもりですか!!」
「まぁまぁユリア、二人とも反省してるしさ……落ち着いて」
見かねたルークが助けを出してくれたけれど、次の瞬間ユリアが一喝した。
「あなたは黙っていて下さい!!」
「ハイ……」
途端にしゅんとなるルーク。
……彼ってなんか、尻に敷かれるタイプだな……。
「ゆ、ユリアって怒ると怖い」
コルトの率直な感想が、猛火に更なる油を注いだ。
「そんなこと聞いてません!!」
.