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□絶対命令。(後/★★★)
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頼りにしている。それはもう、心から。
絶対命令。(後)
「──んっ」
舌が絡みつく。
陛下は右手で俺の顎をがっちりと捉え、噛みつく様な乱暴な口付けを何度も繰り返す。
「ゥ、……っ」
息が苦しい。
体をよじって抗おうとしても、上半身を扉に強く押し付けられているため身動き出来ない。
──執務室に呼ばれた俺は、部屋に足を踏み入れるなり陛下に羽交い締めにされたのだ。
陛下が俺の唇を貪るたびに吐息が漏れ、どちらのともつかない涎が顎を伝う。
「……っ、……は……」
固い扉を一枚隔て、廊下には近衛兵が立っている。
彼らに気付かれまいと声を押し殺そうとするが、それでもわずかに声が漏れる。
顔が熱い。
俺はこんなにも上気しているというのに、陛下はというと涼しい顔で執拗に舌を絡めてくる。
「ん、……っ」
いつもこの辺りから頭がぼんやりしてきて、代わりに下半身がじんわりと熱を帯びてくる。
陛下が腰を押し付けてくるせいで“ソレ”に微妙な振動が伝わり、俺も余計に反応してしまう。
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