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□7.永遠のひと
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「ヘルマン……!何十年ぶりだ、お前!!さあ入れ!久しぶりに親友と会えたんだ、ゆっくりしていってくれ」

「有難い。そうさせてもらおうか」

祖父の後に続いて店へと足を踏み入れた僕を見て、ハプトさんの表情が凍りついた。

「──あぁ、カームってんだ。ほら、挨拶を」

それに気付いた祖父に促され、僕はおずおずと頭を下げる。

「……こんにちは」

「そんな、まさか……」

ハプトさんは瞳を見開いたまま、小さく呟いた。



***



ハプトの孫にカームを預け、二人の老人は酒場のテーブルで杯を交わしていた。

「ヘルマン、あの子供は……何なんだ!?あの時の赤子か!?あれから五十年だぞ!それなのに……!」

頭を抱えて呷くハプト。
ヘルマンはグラスを両手で包み、低く笑った。

「あぁ。どうやら母親の血を色濃く引いとる様でね…成長がひどく遅いんだよ。だが中身はそこらの子供とそう変わらん」

「信じられん……」

「実はな、ハプト。近いうちに……俺はカームを海に返そうと思う」

ヘルマンは穏やかに切り出した。



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