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□8.幕間劇
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「殿下、そろそろ戻りましょう」

不意にルークが立ち上がり、静かな口調で声をかけた。
コルトは途端に眉をひそめる。

「もう帰るの?カームは一緒?」

「いいえ、殿下。彼のことは全てイベルトが任じていますので……」

「それなら僕も帰らない!全然遊べてないのに!!」

「しかし……殿下……」

駄々をこねるコルトと、彼を説得しようと苦戦するルーク。

私はどうすればいいか分からず様子をうかがっていたら、隣のカームが二人の元へ歩み寄った。

「コルト」
ぽんとその頭に手を置いて、優しく微笑みかける。

「僕は……まだ、イベルトとやる事があるから。それが終わったら、すぐ行くよ」

「ほんとに?ほんとにすぐだね?」

「もちろん」
疑わしげなコルトを安心させる様に、カームはにっこり笑う。

「……分かった。待ってる」
コルトは素直に頷き、さっと立ち上がるとルークを見上げた。

「ほらルーク、早く戻るぞ」

「……はい」

がっくり肩を落として返答するルーク。
ちょっと可哀想……。

同情の視線を注いでいたら、それに気付いたルークが咳払いした。

「リオネ、お前もだ。一緒に戻るぞ」

「あ、ハイ……」

「それじゃあ、またね」

笑顔のカームに送り出され、私達は部屋を後にした。



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