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□12.昼餐会
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やっとユリアの怒りが収まったのは、昼近くになってからだった。
「少し言い過ぎましたわね。朝食をお持ち致しますわ」
そう言うとユリアは少しすっきりした顔で、部屋を出て行った。
「……『少し』言い過ぎた?どの辺りが『少し』なの?」
「しっ!!」
ボソッと呟いたコルトの口を慌てて塞ぎ、私はユリアが戻って来ないことを確認すると大きなため息をついた。
「怖かった……」
「……いや、まだまだ」
隣のルークが疲れきった顔で首を振る。
「本気で怒ったら、こんなもんじゃすまねェぞ」
「……まだまだって、今のは本気じゃなかったの?」
がっくりと肩を落とし、私は小さく呻いた。
……ユリアって、イベルトより怖いのかもしれない。
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