another story
□いつか、誰かが。(★★★)
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愛し方を知らないきみへ。
いつか、誰かが。
ずぷっ……
“それ”は肉を割って、僕の中へと侵入してくる。
『嫌だ、やめろ……!いやだッッ!!』
『本当にそう思ってるのかな?“こっち”は嬉しそうにくわえ込んでるけど』
強い力で僕をベッドにねじ伏せたまま、男はねっとりと腰を動かす。
ぐちゅぐちゅ、と接合部が湿った音を立て、背を這う不快感に僕は顔を歪ませた。
『っ……殺してやる!』
そう吐き捨てた瞬間、男の持つベルトが宙を切って振り下ろされた。
破裂音とともに熱い衝撃が背中に走り、ひッと息が詰まる。
『素直になりなさい。ああ、君の粘膜が絡みついてくるのが見える──すごくやらしいよ』
男はその光景に興奮したのか、荒い息を吐きながら腰を打ち付けてくる。
薄暗い部屋に肉がぶつかり合う音が響き、その度に引きつった粘膜が悲鳴を上げた。
『良い、すごくイイ。きみは永遠に僕のモノだ。いいね?イベルト』
男はそう言って、呻き声をひとつ上げると僕の中に精を吐き出した。
『いやだ、嫌だ……っ』
後頭部を掴まれシーツに顔を押し付けられたまま……僕は息を殺して泣いた。
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