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□過去拍手SS <1>
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イベルトSS
【不釣り合いなくらいが丁度いい】
「…馬鹿な奴だ」
意地悪く笑みを浮かべ、嫌味たっぷりに言ってやる。
するとリオネは見る間に顔を赤くして、言い返そうと必死で言葉を探し始める。
私が待っててやると、お前は消え入りそうな声でやっと呟いた。
「……バカって言う方が、バカなんです……」
出てきた言葉はその程度。
私は鼻先であしらう。
「次に会うまでに、私が言葉に詰まる様な台詞…せいぜい考えておくんだな」
背を向け、歩き出すと何故か口元に笑みが漏れた。
馬鹿な奴。
悔しかったら、私を困らせる様なことを一つでも言ってみせろ。
例えるなら……
「好き!」
背後から飛んできた声に、私はぎくりと足を止めた。
「…何だと?」
ゆっくり振り返った先には、リオネの得意気な顔。
「…阿呆が」
低く呟き、私は足早にその場を去った。
妙な胸騒ぎに、唇をきつく結ぶ。
……阿呆は私か。
お題提供はAコース様です。
→ルークSS
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