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□恋するキャラに10のお題
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アルトアSS
【出会い】


「陛下、リオネをお連れ致しました」

ルークが絨毯の上に片膝をついて言う。

「……きみがリオネか」

先程この城に到着したばかりのこの娘は、緊張した様子で目の前に跪いている。

親友であるシドに託されどんな娘が来るのかと思っていたら……上げた顔を見て驚いた。


──似ている。


思わずあの娘の名前を呼びそうになり、はっとして口をつぐんだ。


そっくりというわけではない。

だが分かる。
二十年近く前に出会った、あの娘に似ているのだ。
何故だ?これは偶然なのか?


思い出が走馬灯のように駆け巡り、胸がきつく痛んだ。


──似ている。
私の妻。
私の愛。
私のすべてだったひとに。


胸騒ぎを表には出さず、私は彼女に微笑みかける。

「……私がアスリトニア国王、アルトア・ウォルゼンだ。この城を家と思い、しばしの間ここで過ごすといい」




fin.
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