頂きもの

□求婚を受ける輝夜姫
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今日は中秋の名月。光希は綺麗に丸く顔を出している月を見上げていた。傍らには月見団子ならぬ月見用のデュークモン特製パン。ロイヤルナイツそれぞれの顔を模したパンは月と共に彼女の目を楽しませた。

「む、光希よそのパンは食べないのか?」

すると丁度通りかかったデュークモンにそう言われた。するとオメガモンも一緒だったらしく、特製パンをみて感心していた。

『今は月と一緒に目で見て楽しんでるよ』

「そうか。では我らも共に月見をするか、盟友よ」

「……少しなら構わん」

オメガモンはふい、と顔を反らせた。デュークモンは心の内で笑っていた。彼は光希に好意を寄せている。もちろんロイヤルナイツはそのことを知っていたが、誰も彼女には言わなかった。なぜなら彼女に好意を寄せているのは何もオメガモンだけではない。

「あー!オメガモンとデュークモンずるい!」

「そうですよ!美しい月を見るのにこの美しい私を誘わないなんて!」

「お前達だけ光希を独占するのは気に食わん」

3人でまったりと月を見ていると他のロイヤルナイツのメンバーが集まって来た。上からアルフォースブイドラモン、ロードナイトモン、デュナスモンだ。

「別に私たちは光希を独占する気など…!」

「オメガモンが一番怪しいもんね!」

「なんだと!?」

静かに情緒に浸っていた光希の周りは一瞬で騒がしくなった。ロードナイトモンやオメガモン、アルフォースブイドラモンはやいのやいのと立ち上がって言い合いをしていた。光希の両隣にはデュークモンといつの間に来たのか、ドゥフトモンが占領している。

「騒がしくなったな…」

「情緒などあったものではないな」

『ふふ。善哉善哉』

デュークモンやドゥフトモン、マグナモンは呆れていたが光希は呑気にそれを見ている。それを見ていた大人し組はお前のせいだよ、とは言えなかった。

「〜〜〜〜〜!」

そうこうしているとオメガモンがわなわな震え出した。それを見たデュークモンとドゥフトモンは光希の頭を一撫でするともう仕事は終わったはずなのに任務だ、と呟きながら何処かへ行ってしまった。

「光希!」

『え?なに?ひゃあ!?』

光希が理解する前に事は終わってしまった。そこに残ったのは先ほどまでオメガモンとやいのやいのと騒いでいたロイヤルナイツのメンバーのみ。オメガモンは光希を抱えてその場から離脱して行ったのだ。

「くっ、今日はオメガモンが一枚上手でしたね…!」

「チッ、」

「オメガモンのバカー!!」

アルフォースブイドラモンの虚しい叫び声は秋の夜長に消えて行った。

『オメガモン?どうしたの?』

「……すまない。大人気ないことをした」

『ふふ。私は気にしてないよ。折角だし一緒に月見の続きでもしようよ』

光希はふわりと笑ってオメガモンにすり寄った。オメガモンも気を取り直して光希と共に2人だけで月見をするのだった。



Fin
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