□treasures

□神様より!
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風呂上がり、片手で濡れた頭をタオルでかき回して(坊主ってすぐ乾くから楽だ)反対の手で冷蔵庫で冷やされた麦茶を注コップに注ぐ。そうしていたら部屋で携帯が鳴っていたと教えられたので、コップの中身を一気飲みしてから自室に戻った。

机に置いていた携帯。待ち受けには新着メール一件と表示されていた。受信ボックスを開く。ずらっと過去にメールしてた相手の名前が並んだ一番上に、未読マークがついたメール。登録していないアドレスだから誰からかはわからない。誰かアド変でもしたんだな、と思いながら表示を選択する。本文は短いもんだった。


『 アド変!
登録よろしく!

西浦高校 9組田島 』


やっぱり。つーかこんな時期になんでアド変すんだろう、なんかイベントあるわけでもねえし。まあいいや、アドレス帳に上書き登録………

しようとして、指がとまった。気づいてしまった、アドレスを変えた理由。

何かの数字、ハイフン、誰かのイニシャル、ハイフン、そしてそれに続く"love"の単語。

(ああ、そういうことか)

じゃあ最初の数字は記念日、イニシャルはきっと彼女のなんだろう。こんなわかりやすいアドレス、恥ずかしくねえんだろうか。

(……うっぜー)

あいつも、ぐるぐると腹の中で渦巻く、この感情も。無視したくてももう出来なくなった、この、頭ではわかっていても、どうしようもない、この。

携帯ってこんなに持ってんの重いもんだったっけ?ああ邪魔くせえ。乱暴に閉じて机に置く。肩にかけてた水気を吸ったタオルも邪魔くせえ。こんなもん、と思って、タオルを投げた。

視界に入る携帯。開いてしまう受信ボックス、開いてしまうあのメール、読んでしまうあのアドレス。

はは、と俺は笑った。何に対してだろう、この幸せです感を出しまくったアドレスに?それとも自分に?ショック受けてる自分に?

(…馬鹿野郎)

それは、あいつか、自分か。答えは出てる。

(…馬鹿田島)

馬鹿なのは、強がろうとしてる自分だ。

ひどすぎないか、こんなアドレス俺に送ってくるって。俺がお前に、どんな感情を抱いてるか知っ………てるわけねえよな、言ってねえもん、言えねえもん。

気づかなきゃ良かった、こんな感情。そう思うたび苦しくなって、余計に忘れられなくなる。やだやだやだやだ、自分がいやだ。なんてどうにもならないことを心の中でひたすら言ってみたりして、さらに落ち込んで。どんどん重く沈んでいく。

(…これ、どうすっか)

このアドレスを登録しとかないと連絡するときいちいち面倒くせえ。でも、どこかでそれを嫌がってる自分がいる。なんで、こんな、むなしいこと。いっそこの来たメール削除しちまおうか?いや、そんなことして何になるってんだ。

(早くあいつがアド変しますように)

なんて、最低なこと考えながら、あいつのアドレスを上書き登録した。

一度、アドレス帳から田島の名前を消してしまおうかとも考えた。でも、そうしたらあいつとの繋がりがひとつ消えるような気がして出来なかった。



(…ばーか)



だから、馬鹿なのは、俺。




*********

「crimson」の神様より頂いてしまいましたあああああっ!


今回書いて頂く時に、阿三と花田のどちらにしようかという幸せで悩ましい選択の末、花田を選ばせて頂きました。

もちろん神様の阿三は鉄板で大好きですが、とにかく花田が本当に等身大で私の理想の花井と田島様なんす。

しかも今回は花→田ですね!

うあああああっ!か、片恋すよ!片恋!
神様!どこまで私のツボをご存じなんすかあああああ!(え)

もう花井が切ないよ!
がんばれ花井!馬鹿なんかじゃないよ!
むしろ私が花井をすきだy(ry

心からめちゃめちゃ応援してしまいましたっ!

…なんだか興奮しすぎて長々とすみません。



神様本当に本当にありがとうございました!

これからもどうぞよろしくお願い致しますっ!

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