●捧げ●
□この胸の中へ
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「アレン君知ってる?今回の任務でラビが大怪我して帰ってきたんだよ」
「ーーー…え?」
リナリーが言った言葉が嘘だと思った
嘘であって欲しかった
突然、頭の中が真っ白になった
今回の任務はラビとは別々のもので二人とも単純な任務だよという事をコムイさんから聞いていた。
現場に自分とファインダー1人を連れて数日後、ホームに帰ってきた途端の情報。
何故…
どうして…?
「なーんだ♪じゃあすぐにホームに帰って来れるなーアレーンw」
「ちょ、ラビ!急にひっついてこないで下さいよ;;」
「はははっラビはアレン君のことが好きなんだねー」
任務前の陽気にしゃべるラビの顔が何度も脳裏を過る。
気付いたら無我夢中でラビが療養しているという部屋に足を運んでいた。
元気なのだろうか…
いつも通りのラビなのだろうか…
危険な状態なのだろうか…
考えれば考える度に最悪な状況を思い付いてしまう。
ラビ…
自分が泣きそうな顔になっていないかどうかを確認して一度深呼吸した。
大丈夫。
…大丈夫。
根拠はないが自分にそう言い聞かせる。
扉をノックして…ゆっくりとドアノブに手をかけた。
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