螺雛おだい。
□1.「ヒナタ様」
3ページ/4ページ
「あ・・・あのね・・・。」
いつのまにか指も幼い頃のようにモジモジと動かしている。
なかなか言葉にしないのは、そんなに言いにくいぐらいに、
大きな事なのだろうかと、こっちまで構えてしまう。
早く言ってくれという思いと、自分の悪いところなんか聞きたくないという思いが変に葛藤となって心の中で騒ぐ。
雨音が大きく聞こえてくる静けさの中、やっと、やっとヒナタは言葉を発した。
「『様』なんてつけないで・・・。」
とっても小さな声なのに、心が大きく揺らいだ。
あとがき→