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□愛多心-aitakokoro-
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ほんの小さな物でも、君がいた証を見つけたなら、
その度に私は・・・。

愛多心-aitakokoro-


『私のものをすべてあげるよ。ヴィンセント。』

笑顔で君はとてもひどいことを言う。

すべての戦いに終止符を打った私たちにとって、他に何も恐いものはなかった。
だから、共に歩んで行くことを誓った。

例え君と生きる長さが違っていたとしても、それは恐怖ではないと思っていた。

『ヴィンと同じ時間は生きられないけど、
私が星に帰ってもヴィンは私のことをいつでも思い出してくれるだろ。』

浮気もできないし。とふざけた口調で言う君だけど、とても悲しい瞳をしていたことをよく覚えている。


ああ、本当だ。君はいろいろなものを残してくれた。

どれもこれも、君を鮮明に思い出すには十分だ。

だけど・・・

それを観る度に、私の視界はぼやけてしまう。

頬には冷たいものが触れてしまう。

胸が痛いほど締め付けられる。

恐怖では、

恐怖ではないけど、身体が震えるほど君を感じてしまう。

それはどんなに小さなものでも・・・。


それでも、私はそれを糧に巡っていく。

とても心地いいんだ。それがとても・・・。





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