螺雛おだい。
□3.白眼
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こんな眼なんていらない、いらない・・・。
なんでも見通せることができるからって、
生まれ付いて持っている貴重なものだって、
こんな眼は誰も欲しいと思わない。
少なくとも私はいらない。
こんな眼で何を見れるというの?
この眼で見えるのは、人を傷つける術。人を殺す術。
大事なものは何も見えない。
ただただ、広がる白い闇・・・。
私が見たいものは・・・
それは・・・
そんなに簡単に見せてくれない。だから、だから見たいと思う。
この血継限界の力を使い果たしたとしても、決して見えはしないでしょ。
あなたの瞳の奥の奥。
あなたの気持ち。
私への気持ち。
あなたの眼に光が戻ったあの時から、私はずっと願っていた。
けど、あなたは決してそれを見せてくれない。
だから、この眼はいらないもの。
ただ・・・
あなたと同じというだけで、
この眼がとても大切に思うの・・・・。
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