螺雛おだい。

□2.「ネジ兄さん」
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久し振りにもらえた休日に町に出てみた。
週末を重なったためか、町には多くの人があふれていた。
露天に並ぶ商品を眺めながら歩いていたら、向こう側から自分と同じようにしながら歩いてくる仲間に会った。
「ヒナタじゃない。久し振り。」
こっちに気づき片手を上げながら近づいてくる。
彼女も今日は任務が休みらしく、いつもは単色のチャイナ服であるが、今日は細かな牡丹の刺繍が施されたチャイナ服を着ていた。
「テンテンさん。こんにちは。」
ヒナタも彼女に笑顔でこたえる。
ネジと同班である彼女は、日向家に来ることも多く、ヒナタとも仲間内では比較的仲がいい方だった。

「今日は任務休みなの?ねえ、暇だったらあそこいかない?」
テンテンの人差し指がさしたところは、最近開店したばかりの甘味処だった。

休日のせいもあり、行列ができていたが、さすがは女の子というべきか、ちょっとの行列で諦めような気持ちはないのだろう。
ヒナタ自身もその甘味処には興味があったため、喜んで同意した。

30分ほど並んだのち、壁際の二人用の席に案内された。
注文を終え、待っている間話す内容はもっぱら仕事の話で、特にその中でもネジの話は多く出てきた。
テンテンと同班で、ヒナタの従兄であるため、常に二人で話すときは必然的にネジが話題にでることが多い。
ヒナタ自身もテンテンから聞くネジの姿は、自分の知らない彼を知ることができるので、とても興味があった。
そんな気持ちで聞いていた時に、当然あの質問をされたのだった。
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