DREAM×DREAM3
□soft-spoken-voice
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あれは、何度目の入院の時だったのでしょうか?
いつも通り、風邪が悪化して肺炎を起こしかけていて。
2、3日入院が必要と言われて。
それなのに…。
2、3日入院と言われたのに、気付いたらもう1週間は入院していて。
その日は体調が安定してきていたから、散歩をしていた時でした。
急に苦しくなって、大きな木の下で座り込んで休んでいたような気がします。
「…大丈夫?」
その時に声をかけてくれた男の子を、私はまだ覚えています。
太陽の光に輝く茶色の髪に、深い紫の瞳。
その瞳は少し潤んでいて、私に声をかける前に自分の事に気付いて欲しかった。
きっと自分が泣いていたことに、彼は気付いていなかったのかもしれないです。
「大丈夫、ですわ。…少し苦しくなっただけですし」
私がそういう風に言っても彼は信じてくれなくて、彼の背中におぶられて病院の中に無理矢理戻されました。
病室に戻ったら看護婦さんに怒られるは、先生には呆れられるはで、踏んだり蹴ったりでした。
でも、自力では動けなかったから正直いうと助かった感じで。
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