PERSONA3・短編

□俺ので何が悪い?
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次の日



朝、春兎が目を覚ませば、明彦の姿はもう無かった。
格好はいつもの寝巻きの姿になっているし、色々処理をしてくれた痕跡もある。


手伝えなかった事を悪く思いつつも、遅刻しないように早めに準備を始めた。



朝練は今日は無いが、早く目を覚ますのに慣れてしまった習慣は中々取れそうに無いらしい。
学校で使う道具を鞄に詰め込み、部屋を出てロビーに向かう。









ロビーに降りれば、テーブルに腰掛ける人物が目に入った。

「あ。おはようございます、春兎さん。」

天田1人が、広いロビーでコーヒーを飲んでくつろいでいた。

「おはよう。天田は1人?」

「コロマルも居ますけど、珍しく今日は眠ってます。
ゆかりさんと真田さんは朝練。順平さんは職員室に用があるとかで早く出て行きました。」

「順平もか。」

コーヒーをマグカップに注いで、天田の向かい側に腰掛ける。

「風花さんは部室に用があるとかで………
桐条先輩は生徒会だそうです。アイギスさんはその手伝いで、桐条さんに連れて行かれました。」

「そっか。あ……天田、朝ごはんはもう食べた?」

何も作った形跡が無いので聞いてみる。


「いえ。まだです。今から作ろうとしてたんです。」

「そっか。じゃあ、作ってあげるよ。サンドウィッチでいい?」

ブレザーを脱いで、腕を捲し上げて言えば、天田は嬉しそうに顔を綻ばせて笑う。

「いいんですか!?」

「うん。ありあわせだけど、一応味は保障できるよ。」



冷蔵庫から材料を取り出して、テキパキとサンドウィッチを作っていく春兎。
ものの三分で作り上げ、天田の前に綺麗に作られた美味しそうなサンドウィッチを置いた。

「ありがとうございます!!いただきます!」

「どうぞ。召し上がれ。」

天田はサンドウィッチを一切れ手にとって、口に運んだ。

「美味しいです!さすがですね。」

「そう?ありがとう。」




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