PERSONA3・短編

□one more / もう一度
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きしりと、スプリングが音を立てた。


月の光と、スタンドのライトだけに照らされる室内で、人影が2つ。


2人分の重さを支えるベッドが、連続的に、動きに合わせて音を立てている。



「………っ…は、ぅあ…!」

青い髪がびくっ…と身体を跳ねさせて、小さく震えた。


「っ…」

明彦もつられるように後を追う。
そしてそのままベッドに倒れこんだ。

春兎は身体をまだ震わせながらも、明彦の横に身を投げる。


「………も…無理…」

ぐったりとする春兎の髪を優しく撫でながら、明彦は以外そうな顔をして上半身を浮かせた。

「もう?タルタロスではあんなに体力があるのにか?」

「それとこれとは話が別でしょう……。」

明彦の問いかけに、春兎は恥ずかしげに言う。
明彦は分からないといった感じで、春兎をじ……っと眺めていた。


「なんて言うんですか…その…戦いの時とこう言う時の雰い………って、何してるんですか!?」

ごそごそと動き始めた明彦に、春兎は焦って声を上げた。

「何って……ナニを。」

爽やかに、周りにキラキラとした物と効果音が飛んでいそうな感じに言う明彦。

春兎はもう無理だと焦って明彦を引き剥がそうとする。


「もう、無理ですってば!!ホント……」

「これだけ力が出せるなら大丈夫だろう?」

「だから、そう言う問題じゃ……っ、あ!?」


びくりと春兎が仰け反った。
白い喉が晒されて、涙で目が潤んでいる。

「明日……っ、学校…!!」

「問題ない。」

「俺の…っぁ…事も…考慮して下さっあぁ!?」


ギシリとベッドが軋む。


「考慮した上での決断だ。」

「何を…根拠に……!?」




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