PERSONA3・短編
□反則的服装
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「止めて下さいっ!!!」
文化祭が間近に迫ったある夜。
いつもの平穏な寮の中に、春兎の悲鳴が響き渡った。
声がしたのはおそらく2階から。
ロビーに居るのは明彦、天田、順平。
2階は女子組みと春兎が居る。
3人は思わず見えるはずも無いのだが、天井を仰いでしまった。
「……どうしたんでしょう…?」
「さぁ…」
天田の問いかけに、順平は天井を仰いだまま応えた。
「ま、行ってみれば分かるだろ」
「そうですね。」
暇ですし。そう応えて天田と順平は立ち上がる。
「先輩も行きますよねー?」
「あぁ……そうだな…」
順平に声を掛けられて、明彦も立ち上がった。
2階に上がって、ドアが開け放たれてれている春兎の自室に向かう。
到着した3人は、部屋に入る事を躊躇った。
なぜなら、何故かメイド服を纏った春兎が、アイギスとゆかりに押さえつけられていたのだ。
「……あの、ちょっと、何してるんすか……!?」
冷や汗ダラダラで順平は言う。
その言葉に、何故か笑顔でドレスを手にした風花が笑顔で答えた。
「似合うでしょ?ゆかりちゃんに作ったメイド服が大きかったから春兎君に着せてみたの(美鶴先輩が脅して)!」
いつもより若干顔が輝いている風花さん。
「その辺の女の子よりよっぽど似合うでしょ?だから、次はそのドレス着させてみよう、って話になって。」
春兎の服を脱がせようと四苦八苦しているゆかりは、うきうきした声で言った。
「…それは………」
順平は返答に詰まったのか、小さくそう呟く。
「見てないで止めろ順平っ!!天田も……先輩も!!」
相手が女子の為に本気で抵抗出来ないのか、目に涙を溜めて声を上げる春兎。
「「「……っ!!」」」
男子3人組は、同じタイミングで固まってしまった。
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