PERSONA3・短編
□甘い声に誘われて
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休日の昼下がり。
俺は順平の部屋に居た。
何時もなら、ロビーでグローブを磨いて居るか、街に出掛けて行く。
それか………青い髪をした、恋人の彼と過ごして居るだろう。
では何故、順平の部屋に居るのか?
理由は、勉強を教える為だ。
ストレガの仲間である、チドリと言う少女と、最近いい感じの順平。
彼女にカッコ悪い部分は見せたく無いのだそうだ。
「………だからって…なぜ俺なんだ。岳羽や山岸が居るだろう。」
アイツと過ごす時間を減らされた俺は、少し機嫌が悪い。
順平は知ってか知らずか、申し訳無さそうに頭を下げた。
「本当にすんませんっ!ゆかりっちや風花に教えて貰いたいのも……あるんですけど……
そのー…男のプライドってやつが……」
「お前にそんなものがあったのか。驚きだな。」
「真田サン!?それは酷くないですか!?」
必死な順平に笑みが漏れる。
順平は、笑われた事が恥ずかしいのか、頭を掻きながらうつ向いた。
「………アイツに教えて貰うってのも…その……」
順平は打って変わって真面目な顔になり、隣の部屋の壁を見る。
S.E.E.Sのリーダーでもあり、俺の恋人でもあるアイツ。
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