PERSONA3・短編
□寒さの中の温かさ
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目が覚めた。
ぼんやりとする視界に、明彦の横顔が入る。
情事特有の甘ったるい雰囲気が漂う中、ふと外の異変に気が付く。
ちらりと横で眠っている彼を見て、起こさない様にベッドから降りた。
真っ暗な部屋の中、薄いタオルケットを羽織って、月明かりが差し込む窓辺に近付く。
「……雪だ…」
近頃、寒さが厳しくなって来たとは思っていたが、こんなに早く降るとは思っていなかった。
窓を開けると、ひやりとした空気が流れ込む。ワイシャツ一枚に、タオルケット一枚は少し肌寒い。
「…真田先輩の髪と同じ色だ…………綺麗…」
ふわりふわりと舞落ちる、真っ白な結晶。
儚げで、直ぐに溶けてなくなってしまう。
(居なくなるのは嫌だけど、雪は、先輩に似てる…)
儚くて綺麗で………見ていて悲しくなって来たりもする。
けど、包み込まれるような優しさもあり、一目見ると魅了されるような美しさもある。
「…………そっくり…」
「誰に?」
「っ…!?」
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