副書廊黒

□死が二人を別つとき
1ページ/1ページ




まさか、こんなところで逢おうとは。









ノアとエクソシストとの対決。












乗り込んできた5人のエクソシストを、ティキやロード、ジャスデロ、デビット、そして私で始末すること。




ソレが千年公の指令だった。










まさかそのエクソシストの中に






貴方が居るなんて。











神田ユウ。














―否。





私は知っていた。





彼がエクソシストだと。



だからこそ彼に近づいた。







例え本気になってしまっても












いつか必ずこういう時が来ると、









わかっていたはずなのに。










刃を交え、はや半刻。



均衡していた戦況が、ほんの一瞬の隙をついた神田の一撃によって変化をみせた。







首に六幻をあてられる。






「・・・ひとつ、答えろ。俺に近づいたのは、俺を利用するためだったのか?」






私は強がるように口を開いた。




「最初は、そのつもりだったんだけどなぁ。」


ユウは相変わらず眉間にしわを寄せている。


「おバカなユウにどうしようもなく惚れちゃったわ。あたしもバカの仲間入りよまったく。」






「・・・。」






「さ、早く殺しなよ。エクソシストなんでしょ?」






私は幸せ者かもしれない。


伯爵から与えられた任務こそまっとうできなかったけれど、



愛しい人を自らの手で殺めずに済むなんて。



貴方を苦しめるのは心苦しいけれど。









「・・・地獄で、待ってろ。」










珍しく、神田の頬が朱に染まる。








「でも・・・あたしはノアだし・・・。」







「死んじまえば関係ねぇだろ。」





ソレは確かにそうかも知れないが・・・












「なんであたしが地獄行き決定なのよ。エクソシストだって神の使途なんでしょ?地獄になんか行きっこないわよ。」







「天国なんて生温い所に行く気はねぇ。」







その言葉が神田らしくて、私は思わず笑みをこぼした。














「わかった。待ってるわ。いつまでも。」










そう言って、私は目を閉じた。












「すべてが終わったその時は―‐」











死が二人を別つ時
(「二人の幸せを見つけにいこう。」)

















他の人に逢いに行く。









[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ