□雨
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窓の外は相変わらず灰色の空が広がり、弱くもないが強くもない雨が降り続いていた。
れいたの部屋のソファに陣取った麗は、所在なさげに雑誌をぺらぺらとめくり、時々格闘技の試合のビデオを熱心に見ているれいたの背中を見つめている。
ふと、この退屈さに我慢できなくなったのか、麗が後ろかられいたに抱きついて、首筋に顔をうずめた。
れいたは少し驚いたような表情を浮かべ、麗の方に振り返った。
「ん?どうした?」
「俺、雨って嫌い・・・。しとしとじめじめうっとおしいし、れいたはかまってくんないし。」