厨房

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いつのことだったでしょう
貴方は私の手を離れ、戦場に身を委ねましたね

血生臭い其処でしか得られないというモノに惹かれ
私を置いていかれた

鬼でも、かまわなかった
鬼でも、ついていきたかった

私は鬼の貴方も愛していたのです、愛しているのです

あの日々が嘘だったとは思いません。思うまでもありません
今でも、私は貴方を想っているからです





「とうとう行かれるのですね」
「ああ、」
「もう、松前に残る気はおありでないのね?」
「……ごめん」
「新八さん」
「…何?」
「指切り、しましょ」
「?」
「貴方がこれからもこの世を生き抜いてゆくという約束を、私に縛って下さいな」





小指を繋いで約束したね
(例え貴方が私の元に二度と帰ってこないとしても、)

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