蒼空と白球

□花井クンの災難
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「それではこのクラスでは"変装喫茶(コスプレきっさ)"を出し物にしたいと思います!」




 花井クンの災難




「各自で好きな衣装を持ってきてくださいね。有名人のコスプレでも漫画のコスプレでも学校規定に引っ掛かりさえしなければいいんで。」

なかなかにアバウトな事を7組の学級委員(女子)は教壇に立ち、皆に言い放つ。

「何か質問がある人は挙手のうえでどうぞ。」
「はい!」
「はい。何?男子A。」
「えっ?!その扱い酷くねぇっ!」
「無いなら次。」
「頼むから聞いて!」

7組はどうやら楽しい事は一致団結なアホクラスらしい。学級委員(女子)と男子Aのやり取りにクラス全員が爆笑している。
一方で野球部メンバーは…

「なぁなぁっ花井と阿部は何着んの?」
「…ユニホームでいいんじゃないか?」
「そういうお前は何着るんだよ。」
「俺?クラスの女子が不思議の国のアリスするらしくて時計ウサギやらせてもらえんだ〜♪」
「お前は時計ウサギと言うより五月ウサギだろ。」
「阿部酷いっ」

なかなか楽しそう(?)に会話をしている

と。

「は・な・い・く〜ん♪」
「へ?」

花井が声に振り向くとクラスの女子が5人ほど並んでいた。

「何?」
「花井君にお願いがあるんだ〜♪」
「花井君が1番適切なの!」

彼女達は花井が逃げられないようにぐいぐいと迫り寄る。

「実はこのクラス女子が1人足りなくて男子は1人多いのよ。」
「それで男子を1人女装させようって女子全員賛成一致で決まってね。」
「これまた全員一致で花井君に決まったの♪」
「…ま…さか…ι」
「そう。そのまさか。」

にーっこりと天使の微笑みで女子は花井に言う。(花井にとっては悪魔の微笑み)

「ぜ…っ絶対にいやだっ」
「拒否権無し。強制連行。」

きっぱり花井の台詞を拒否り、パチリと指を鳴らす。


「「「「「ラジャーっ!!」」」」」

何処に隠れていたのやら(座っていただけ)クラス女子全員が花井を捕まえる。

「ちょ…っ何っ?!」
「花井君はやっぱりセーラ服よね〜♪」
「メイドもいいけどね☆」
「やっぱウィッグはウェーブかかったものがいいかな?」
「色は薄めでね。」

花井の声はちっとも聞き入れず、クラスの女子はキャアキャアと話ながら花井を引きずっていく。

「見てないで助けろよ!!」
「俺花井の女装見てみたい!」
「安心しろ花井。田島に連絡しといてやる。」
「…っ薄情者〜〜〜〜〜っっっっ!!」






花井の女装のおかげで7組の出し物『変装喫茶(コスプレきっさ)』は大繁盛したとか。





fin
20071209
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