長編小説
□最愛〜断絶〜
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「せっちゃ〜ん?どこおるんよー」
朝起きたら自分の所へ挨拶に来てくれるはずなのに、今日はまだ来ていない。
刹那の部屋にもいなかったので、屋敷内を探している。
「もー、今日は久々にみんなに会いに行くのに。‥修業して稽古場で寝とるんかな」
木乃香は稽古場へと足を進める。
「おはようございます、木乃香様」
「おはよう」
木乃香は向こう側から来た女中に挨拶を交わす。
「お着替えの準備が整いました」
「着替えって‥?ウチもう寝間着やないえ」
もう起きて1時間以上たっている木乃香は、着物に着替えていた。
「…新しい着物をお作りましたので、着付けさせて下さい」
「今はちょっとなぁ‥せっちゃんが見つかったらええよ」
「…刹那様ならば街へお買い物に参りました」
「そっか、なら今ええよ」
木乃香は女中に付いて、部屋に入った。
*