リボ短夢

□自転車trouble
1ページ/2ページ




あたしはその日

公欠で休んだ子に頼まれて
ノートをコピーして帰ろうとしていた。


自転車にまたがって元よりのコンビニを後にする


troubleはそれから少し後に起きた




ガラガラ


『?』

ギィッ


『なんの音だろ…』


ブチッ!!


『ぶち?』


自分の後方をみると

荷台に荷物をくくりつける時に使うヒモが見事にタイヤに絡まっていた。

そして、気づかずこいでしまったためか、途中でヒモが切れてしまった…


『うそ………』


辺りが暗くて良く見えないため、近くの街灯まで後輪を持ち上げて近寄る


『あちゃー。とれるかなぁ………』


ギィギィ


試してはみるものの全く動かない


『どうしよ…これじゃ、家まで担いでいかなきゃなんない…暗いし…怖いし…』

せめてハサミでもあれば……そんな事を思ってると近くから足音が聞こえた


『(こんなとこにいたら怪しまれるよなぁ……でもどうしようもないし…)』


もし危ない人だったら…


思考はどんどん悪い方向に進む


カツカツ


足音が近付いて来る


カツカツ


そして、近くまで来てその足音が止まった


『(え………まぢっスか?まさかリンチと
か!!?)』

思考にたどりついた物が頭をよぎる


「こんなとこで何やってんだよ。」


声の方を見ると、街灯に照らされている足の方しか見えない


『(うわっ!声かけられちゃったよ…)えっと…ヒモが自転車に絡まってしまって……』


「どれ、見してみろよ。」


『…………え?』


その人は私に近付いてくる

街灯で照らされる体にはシルバーアクセサリーがジャラジャラとしていて、髪の毛は銀色が輝いている

声の割には顔が幼い


幼いと言ってもあたしと同じ位か…


「ああ、本当だ。」


ガッ


銀髪少年はヒモの金具に手をかけて外そうと試みるが…


「くそ、とれねぇな」


『えっと………』


「なあ、もう切れちまってるし、取れたとしても使えねぇよな?」


『あ……うん。』


「じゃ、切るぜ。」

ハサミでも持っているのか…銀髪少年はポケットに手を掴んで何かを取り出した

「燃やすぞ?」


銀髪少年が手にしているのはライター

なぜそんな物を持っているのだろうか…

そういや、彼の体から煙草の匂いがプンプンする


ジュポ


銀髪少年はライターの火を付け、ヒモを切る。


辺りに煙の匂いが広がる


そして………


バチッ


「切れたぜ?」


『ありがとうございます!!』


良かった!これで帰れる!!そう笑うと、銀髪少年も軽く微笑んだ。













その笑顔にドキッとした…………


「じゃ…」


銀髪少年は立ち上がって来た道と反対の方向に歩き始めた。


『ほ、本当にありがとう!!!////』


「…………おう」


少年はあたしに背を向けたまま右手を挙げて去っていった


『………………。』







これが、恋した瞬間
(はっ!!!名前聞き忘れた!!!)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ