リボ短夢
□理数系のアイツ
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『獄寺君、獄寺君。』
「………んだよ。」
ある日の昼下がり(授業中なのだが)、いつものようにこの2人が屋上にいる(いわゆるサボリ)。
『煙草一本につき、約5分30秒の寿命が縮むらしいですよ。』
単行本に目を向けながら、言った。
その横で聞いてる獄寺は、当然のごとく、煙草をふかしていた。
「だったらなんだよ。」
『仮に、獄寺君がこうしてサボっている時間―そう、200分の中で1箱(20本入り)吸ったとします。』
「……110分」
『正解です。つまり、獄寺君は1日に約2時間の寿命を失っているわけですよ。』
「……………」
『今、日本の男性の平均寿命は79.00歳です。今までどれくらい獄寺君が煙草を吸ってきたかは知りませんので、過去を忘れて、未来を考えましょう。
まず、1日で110分ということは1年で』
「40150分。」
『そして、獄寺君があと65年生きるとすると、』
「260975」
『分寿命が縮む計算になります。これを@としましょう。
そして、65年という年月は、日数にして』
「23725」
『時間にして』
「569400」
『分にして』
「34164000」
『それをAとして、A÷@をすれば―』
「850.9090…」
『その通りです。計算がお速いですね。』
「そりゃどーも。」
『従って先ほどの計算から65年経って、獄寺君は約850分しか生きられませんね。つまり』
「14.666…時間」
『しか生きられません。』
「そーだな。」
『それ以前に、事故や病気にかかって命を落とすかもしれません。』
「……………」
『少しは大事にしようと思いませんか?』
「…………あ?」
『つまり言いたいのはこうです。
煙草…やめてみませんか?』
「…………………。」
理数系のアイツ
(前置きがなげーんだよ。)(そう思いながらも煙草の火を消すオレは)(どうにかしちまってると思う。)
→謝罪文(読んで頂けると嬉しいです。)