リレー小説

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白い天井、消毒の匂い。


私はここが大嫌いだった。

そう、大嫌い「だった」。昨日までは。もう少し詳しく言うと、彼に会うまでは。





私のことを少しだけ説明しておこう。

私は普通の高校に通う、普通の高校生だ。
だがしかし、3日前に私はこの総合病院に入院させられた。
軽度の肺炎だそうだけど、入院して経過観察を。ということだった。

それはもう、私の心を大いに沈ませた。
入院だなんて!パソコンは?ゲームは?ネットは?!


…見てわかるだろうけど、肺炎の原因はただの不摂生。だろうと思う。直接聞いてないから何とも言えないけど。



そして、心を沈ませながら入院生活2日目を迎えた私に神様はとうとう微笑んでくれたのだ!



彼は、談話室に居た。

病院というのはだいだい、談話室やそれに似た空間が階ごと作られている。
そこには雑誌や、少し暇を潰せるようなものがあり、私もじっとしていられなくてそこに向かった。


窓際に、少しウエーブのかかった柔らかそうな髪の毛の少年。
彼のような人を美少年というんだろう、いかにも薄幸の美少年。

彼の白い肌に長い睫毛が影を落とし、余計にその美しさを引き立たせていた。

寂しそうに窓から外を眺める姿は、なにか大きなものを背負っているようにも感じられて。


見ていて遣る瀬無くなった私は、その寂しそうな背中に話しかけてしまったのだ。





話によると彼は私より一つ下の中学3年生。幸村精市君というんだそうだ。

声も予想していた通りの綺麗なボーイソプラノで、私との会話に応じてくれた。
彼とのひと時はとても楽しくて、すぐに過ぎていってしまう。そして今日、また同じ時間にここで。という約束をどうにか取り付けたのだった。


end

初のりれー小説!どっきどきです。

奈由。

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