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テニプリ連載中
下に行くほど新しいので連載は一番下からご覧ください。また、続きページも下が@P上がAPです。
◆no title 

わたし×日記×小説
私の日々の感じた想いを日記に交えて書き綴る小説
書き綴るといっても物語の中に隠れてるだけ。
アナザージャンルで不定期更新

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プロローグは大したことなかった。
ただ一日を静かに過ごしていた。
誰にも見つからないように、だけど誰かに見つけてほしいと思いながらひっそり学校生活を送っていた。
そんな風に目立たないように、いらぬ騒ぎに巻き込まれないように生きていた私に不幸は突然に唐突に飛び込んできた。

「・・・香月××さん?」

綺麗すぎる笑みを浮かべて彼は私の前に立ち憚った。
蒼い髪に白い肌、その綺麗な顔によく似合う笑顔。
彼はこの立海大付属のテニス部部長、幸村精市だ。
その美しい容姿から彼はよく女性にモテていたな。
ファンクラブがあるぐらいだもんな。
そんな彼が一体私に何の用なのだろう。
彼といると兎に角目立つ。
出来れば彼とは関わりたくなかった。
彼だけでなくテニス部のレギュラー達には関わりたくない。


「・・・何?幸村・・・精市くん」

「ちょっと、一緒に来てくれるかな?」

「・・・え?」


様子からしても告白なんかではないことは確かだ。
私のような目立たない女子にきっと幸村精市は興味などないだろうし。
余談だが私は自分の容姿を可愛いとは思ったことはないが不細工だと思ったことはない。
周囲曰わく“香月さんは可愛いではなくて美人なんだよ"らしい。
兎に角そんなことは置いておいて私はゆっくりと立ち上がった。
ふと周りを見ると女子生徒が幸村精市に熱を上げていた。
幸村精市の方を見ると始終笑みを浮かべていた。
そしていつまでももたもたしている私に痺れをしていたのか私の手首を掴んで彼は歩き出した。
ふとその瞬間私の頭の中のサイレンが鳴り響いた。
逃げないと
しかし手首はしっかりと、痛い程に捕まれていて逃げられそうにない。
でも頭の中のサイレンは鳴り止まない。
気がつけば使われていない空教室に連れてこられた。

「なに・・・するの・・・?」

「知ってる?最近ウチの部のマネージャーが辞めちゃったんだ」

「!!」

唐突に話し出した幸村。
“マネージャーが辞めちゃったんだ"
幸村精市は私をテニス部のマネージャーに誘おうとしている?
嫌な汗が私の背中を這った。
もしそうなら自分をテニス部のマネージャーになれるなんて嬉しいと思うだろうが私は・・・いや、この学校にいる半数の女子はきっとそうは思はないだろう。

「ねぇ、香月さん」

「な、何かな?」

「何かなじゃなくてさ、マネージャーやってくれないかな?テニス部の」

「い、い「君に拒否権なんてないよ」

「!!」

私の頭の中のサイレンはもう鼓膜を破るんじゃないかってぐらい激しく鳴り響いていた。
こわい、たすけて、だれか、だれか、だれか!!
私は知ってるの、前のテニス部のマネージャーがどうして辞めてしまったのか。
あれはただ仕事をさせられていたんじゃない。
逆らえば殴られる、ミスをすれば汚される。
彼が求めているのはマネージャーなんかじゃない。
忠実な下僕だ。
前のマネージャーはそれに耐えられなかったらしい。
急にいなくなってしまった。
だからその噂を知っている女子はマネージャーにだけはならなかった。

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2009/08/13(Thu) 23:59

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