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memory
テニプリ連載中
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◆no title 

私×日記×小説
続き

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「(私だってマネージャーなんか・・・したくないっ)」

「ねぇ、香月さん。いいよね?」

「(したくないけど)」

逆らえば殴られる、ミスをすれば汚される。選ばれたんだ、私は。もう逃げられそうにない。
私はただ静かに学校生活を送りたかっただけなのに。
目立たないようにしてたのに。

彼の狂気に満ちた瞳は私を捉えて逃がさなかった。


「あ、香月。購買行ってパン買ってきてよ」

「え・・・でも、授業始まっきゃぁっ!!」

「そんなのしらねぇよ。行けよ。あ、あとさ・・・次タメ口なんかで話たら手折るから」

「――――――は、い・・・」


赤くなった頬を抑えて私は暫し放心状態だった。
しかし再び頬を叩かれ私はこれからのことを考えながら購買へ走った。
きっともうあの静かな日々は戻ってこないんだろうな。
ただ、平穏を求めていただけなのに。
ただ、それだけなのに。

私のプロローグは破滅を刻んでいた。


夏の暑さは私の心を掻き乱す。
あの悪夢の日から何ヶ月たっただろう。
この残酷な現実から逃げ出す術はないけど。
自分の身体にできた痣と切り傷を数えて教室の机の向かい側に座る幸村精市を見た。
未だに私はよく思うことがある。


「ねぇ、幸村さん」

「・・・」

「私時々・・・思うことがあるんです」

「・・・」

「私・・・人を傷つけて嗤い傷つけられた人の痛みも分からない、知ろうとしないアナタを最早人間とは思いませんから」


そう言うと幸村精市はまた私に暴行を与えた。
でももう構わなかった。
アナタはとっくに人間じゃないことを認めたんだから。
ほら、アナタにはワカラナイデショ?
傷つけられた人の気持ちが。
痛いと、哀しいと叫ぶ私の気持ちが。
だってアナタは人間じゃないもん。
ねぇ、そうでしょ?


私は薄れ行く意識の中で昨日聞いた噂の内容を思い出していた。
前のテニス部のマネージャー。

彼女は今、病院の精神科にいるらしい。

もうずっと永いこと眠っていて、目覚める見込みはないらしい。


end

2009/08/13(Thu) 23:59

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