day
memory
テニプリ連載中
下に行くほど新しいので連載は一番下からご覧ください。また、続きページも下が@P上がAPです。
◆キラキラ光る闇の中
それから5日ほどたっていつものように変わらず適当に授業を受け適当にまだ決まっていなかった係や委員会の選択をして部活に行って誰かと試合をするはす゛だった。
が、その考えは彼跡部景吾の手によって止められた。
「跡部くん、私を何処に連れて行くのだい?」
気づけばずるずると引きずられていく××。
どうやら今回は樺地はいないらしい。
すると××の問いかけに反応したのか跡部がピタッと立ち止まった。
「青学に練習試合の申し込みにいくんだ。お前も付いてこい」
「青学・・・私は確かまだ逢ったこと無いぞ!?」
「だから連れて行ってやるんだよ。いいから黙って俺様の鞄もて」
「む・・・青学に連れて行ってくれるのは嬉しいがその仕事は樺地くんの仕事だろう?なぜ私がしなければいけないんだ?」
××は純粋に跡部に問いかけた。
問い掛けつつ差し出された鞄を押し返す。
跡部はそんな××の反応を差して気にもとめず再び××の問いかけに答えた。
「今日はお前は樺地の変わりだ。樺地と同じぐらい俺を尊敬しているんならそれぐらいしやがれ」
××はそれが尊敬の値だとは思わなかった。
普段から跡部と樺地を不思議に思っていた。
お互いはそれで良いのだろうが見ている分にはなんだかいたたまれないモノを感じたりする。
ただ、彼等はそう言った面で通じ合うことが出来るのだからそれは頬笑ましい限りだ。
だが、今の跡部と××はそうではないはずだ。
そんな舎弟地味た行為はまっぴらごめんだった。
が、こんな事で悩む自分はどこか子供っぽいと感じたり××は口論になる前に渋々跡部の鞄を持った。
これで今日1日自分は跡部の召使い決定だ。
××にとってはこの行為はそれだけでしかなかった。
跡部にとってこれはちょっとした独占的な感情にさせられる。
今この時点でどんな命令をしても××は聞く。
そんな事実が彼の独占欲を満たした。
最近の、いや、入学当初から彼女は自分を尊敬していたことを跡部は知っている。
それ故か、最初の××はいつも跡部の後ろを付いて歩いていた。
試合の時もずっと跡部ばかりを見ていた。
日常的な学校生活でも彼女は跡部景吾を最優先した。
余談だが、彼女はいつも跡部に引っ付いているモノの跡部のファンの女子からイジメにあったことはない。
それは彼女が男子の制服を着ているのと、彼女の性格がまったく女子として大丈夫かと言うぐらい色のあることに興味がなかったからだろう。
それを証明するかのように、男女の友情などありえないというくだらない論理を覆すかのように彼女は彼らに対してなんの恋愛感情も抱かなかった。
しかし、恋愛感情はないが彼女が心の底から跡部景吾という人物を尊敬しているのは本当である。
がしかし、学年が上がる毎に彼女は跡部に引っ付いてこなくなった。
それはきっと警戒していた向日岳人や忍足侑士、宍戸亮に芥川次郎、それに加え日吉若に鳳長太郎といった人物を受け入れたからだろう。
そのせいで××は跡部を今までのように構わなくなった。
確かに引っ付いていたりはされるがそれも減ってきている。
正直跡部はそんな××が嫌いじゃなかった。
むしろ、純粋に自分を慕い尊敬してくれる××が可愛かった。
だからそんな××の態度が気に食わなかった。
それに加えて明らかに忍足や向日は××に好意を寄せている。
2人だけではない。
三年は危ない気がするし、鳳もなんだか意識しているような気がする。
跡部は自分でも気づかない内に××を好きになっていた。
だがこの気持ちを××に伝えないのはやはり××がこういった色恋沙汰に全く興味が無さそうだからだ。
断定は出来ないが、普段の××を見ているとどうも恋愛よりテニス!といった感じだ。
もしこの気持ちを伝えようものなら“恋なんて馬鹿馬鹿しい。見損なったぞ跡部くん!”などと言われそうで跡部は恐かった。
そんな事をして軽蔑されるぐらいならこのまま××に傍で自分を尊敬してくれていればいい、跡部はそう思った。
そして彼女を独占することによって彼はその気持ちを満たしていたのだ。
今、彼女の手を握っていることも彼の心を満たしている。
「跡部くん、ここが青春学園か!なんともダサい名前の学校だなぁ!!」
「(笑顔でこいつは・・・)ああ、中はいるぞ」
こうして長い長い葛藤の最中に二人は青春学園、青学に到着していた。
跡部は学園の敷地内に入る前に××の手を離した。
これも仕方がないことだったが差ほど気には止めなかった。
こんな彼女だ。
きっと自分から誰かを好きになることはないだろうと、跡部は自分で勝手に解釈し安心を得ていた。
「!やぁ。跡部じゃないか。うちに何の用だい」
最初に不二が自分達に気付いた。
「今度の練習試合の申し出にきた。此処の監督はどこだ?」
「ああ、それならさっき職員室に行ったよ。案内しようか」
「頼む。それとコイツにお前達の練習の様子を見せてやってくれ」
「誰だい?この子。君の妹・・・じゃないよね」
「初めまして。私は氷帝学園3年の一ノ宮××だ。跡部くんとは同級生だよ」
「そう。それは悪かったね。俺は不二周介。君と同じここの3年だよ。まっててね、今他の部員連れてくるから。コートに案内させるよ」
不二はそう言って手塚部長と言う人を連れてきた。
彼のことは跡部くんから聞いたことがある。
不二は2人がここに来た理由と××のことを一通り話すと跡部と共に校舎内へ入っていった。
××は手塚に案内されてレギュラーメンバーが練習しているコートに案内される。
手塚がレギュラーメンバーに××のことを話す。
それを聞いた青学レギュラーの人は笑顔で××に宜しくと言った。
ふと試合が行われているコートに目をやると片方は確かにレギュラーだがもう一人は普通のテニスウェアだ。
「(む・・・一年か・・・)」
「彼の名前は越前リョーマ。青学テニス部の一年部員だよ」
突然眼鏡をかけた男に話しかけられた。
彼もレギュラージャージを着ている。のでレギュラーだ。
「・・・先輩と試合か。彼は・・・強いのか?」
「見ていればわかるさ」
そう言われてコート内の隅からバンダナを頭に巻いた人とその越前リョーマと言う人の試合を見る。
「(えちぜん・・・りょーま・・・聞いたことあるよいな、ないような・・・)」
暫くその試合をずっと見ていた。
××はいつの間にかその試合に釘付けになっていた。
「(越前リョーマ・・・)」
勝敗が確定する。
勝者は越前リョーマだった。
その試合を始終見ていた××の瞳には跡部の時とは違う輝きに満ちていた。
××は心の中で何度も何度も越前リョーマの名前を繰り返した。
ふと、リョーマが××に気が付く。
そしてなにを思ったか××に近付いてくる。
そして××の前でピタッと立ち止まった。
つり目が私をまっすぐに見つめてくる。
彼と××の身長は差して変わらない。
(××は3年になった今も小さいのだ)
「(な、ななななんだ!?)」
「あんた・・・」
「は、はひっ」
「一ノ宮××だよね」
「な、何で名前を知っているんだ!?」
××の必要以上に音を立てる心臓。
この気持ちは何なんだろう。
××の体が少し震える。
「あんたのこと・・・探してたんだ」
耳元までリョーマの唇が近づく。
「な、さ、さが!?(私をか!?なんで、なん、で、てか近い!!)」
「あんた・・・俺との試合、すっぽかしたよね?」
「・・・は?君との試合?何のことだ」
「すっとぼけないでよ。二年前、アメリカのジュニア大会の決勝、俺とあんただったんだ」
「二年前・・・アメリカ・・・ジュニア大会・・・あぁああ!!君があの越前リョーマくんか!!」
「思い出した?大事な決勝戦すっぽかして、後から聞いたら日本に帰ったなんて・・・ふざけるのも大概にしてよね」
「も!申し訳・・・な、い」
××は緊張で自分が何を口走っているのかわからなくなっていた。
リョーマはそんな××に眉を歪めた。
××は××で沈黙を作るまいと潰れてしまいそうな心臓を抑えて口を開いた。
「あ、あの!あ、あ、改めて、一ノ宮××、氷帝学園の3年です!よろしく!!」
「・・・は?まぁいいや。俺は越前リョーマ。よろしく、××」
そういって二人が正式に自己紹介をしているところに跡部が戻ってきて××をつれて元来た道を歩き出した。
××が去り際にリョーマにまたね、と手を振るとリョーマもまた、と手を振り替えした。
「なぁ・・・跡部くん」
「なんだよ」
「私、王子様を見つけたぞ」
「!!?$%&£%#&△◎×!?」
end&next
2009/08/15(Sat) 00:23
[コメント書込]
[戻る]
[TOPへ]
[カスタマイズ]