おだい
□ヘイ!トイレ・プリーズ!
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ヘイ!トイレ・プリーズ!
トイレに行きたい。
けど、行けない。
「何や?ジロちゃん。」
「何かあるなら言えよ。」
「「英語でな!」」
英語でトイレ行きたいって、何て言うんだろ…。
トイレはトイレでいいんか?
間違った英語使ったら忍足(英語できる)がすぐに気付いてがっくんの制裁がくだるからなー…。
あー、でもマジトイレ行きてぇ。
…てか、トイレ行きたいってわざわざ言うのもなぁ…。
あ、言わずに行っちゃえばいいじゃん!
オレってあったまEー♪
「…どこ行くん?ジロちゃん。」
「どっか行くならどこ行くか言ってから行けよ。」
「「英語で!!」」
…。
くっそー…。
二人はゲームに勝ったからって。
マジ、ムカつくCー。
実はゲーム始める前からちょっとトイレに行きたかったんだよねー。
がっくんにのせられてそれどころじゃなかったけどさ。
…つか、ひでぇよな。
忍足は負けてもコレ罰ゲームになんないじゃん。
あ、がっくんは喋れないか。
自分もわかんないくせにオレに英語喋らすとかぜってぇおかしいCー。
「どうしたんだよ、ジロー。黙り込んで。」
「何か喋りぃや。さっきから俺らしか話しとらんで?」
「そうだぜ、ジロー!これじゃ罰ゲームになんねぇじゃん。」
く、くーっ!
トイレ行きてぇ、トイレ行きてぇ、トイレ行きてぇぇっ!!!
「何やってんだ?」
「「あ、跡部。」」
あとべ!!
そうだ、あとべに教えてもらおう!
あとべなら忍足より頭EーC〜!
何よりオレのことアイシテルからっ!
「アトベ…!!」
「アーン?どうしたジロー。」
あ。
トイレ行きてぇって英語で何て言うの?…て、英語で何て言うの??
だ、ダメだ…!!
むしろハードル高くなった!
聞けねぇ──っ!!!
「…大丈夫か?ジロー。」
「ジロちゃん」
「ジロー。」
忍足とがっくんの二人からイヤな圧力を感じるー!!
マジひでぇC!!
「おい、向日、忍足。てめぇら二人でジローのことイジメてんじゃねぇだろうな?アーン?」
ああああああとべ!!
おめぇマジおれの天使だ!
エンジェル!(想像したらちょいキモイ!)
そう、そうなんだって!
オレ、イジメられてんの!
タスケテ!!
景ちゃ〜ん!!
「イジメてねぇよ。な?ゆーし。」
「今ジロちゃん、罰ゲーム中やねん。」
「罰ゲーム?」
あーもう!
何でゆっちゃうの!
がっくんも忍足も、ぅゎ、トイレ行きてぇ!
もうやばい、マジやばい!
もう限界…!
マジ学校でおもらしとか勘弁だCー!
てかこの歳でそれはないっしょ!
「よくわかんねぇけど、ジローが苦しそうだろうが!」
「…ゆうても、罰ゲームの内容は英語で話せゆうだけやもん。」
「もん、とかキモイ。ゆーし。ジロー喋れないのがそんな苦痛なのか?」
いや、喋る喋らないの問題じゃねぇ!!
トイレに行くか行けないかの問題で、ぅあーもう!
「大丈夫か?ジロー。顔が真っ青だぜ?な、何でもいいから声出せ。な?」
「…ほんま大丈夫か?ジロちゃん?」
「ジロー??」
「…ぅ──。」
もうギブ!!
もうだめ!!
もー我慢できねぇーっ!!
えええ英語英語英語英語えいごえいごえいごエイゴエイゴエイゴ…………!!
「ヘイ!」
「トイレ・プリーズ!!」
言ってやった…!!
よし、トイレ行こ。
みんななんか変な顔してたけど、それどころじゃねぇCー!
そしてオレは、いまだかつてない猛ダッシュでトイレへと駆け込んだのだった。
「…英語ゆうか…ジロ語か?」
「そりゃあ、切羽詰まってたわけだよな。蒼白にだってなるぜ。」
「……トイレかよ。」
残された三人は呆然とするしかなかったそうだ。
そして数分後。
戻ってきたオレにボコられた忍足とがっくんは、オレの知らないところで「もう二度とこの罰ゲームはするまい」と心に誓ったんだとか!
で、結局「トイレ行きたい」って何て言うんだろ?
もしかして、「トイレプリーズ!」であってたの??
そんなオレは、次の英語の時間もばっちし睡眠学習だC〜。
気が向いたらあとべに聞こう。
じゃ、おやすみ〜!
ヘイ!トイレ・プリーズ!