幾つもの夢

□やばいやばいやばいやばいやばいやばいマジ反則
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「やばいやばいやばいやばいやばいやばいマジ反則」
(お題)
ver,AZUSA HANAI







「大変だ!」

「どうした?」

念のため、聞いてみる。
どうしたって、いつものことなんだが。

「グチくんにノート返すの忘れてた」

「・・・・グチくん?て」

誰だ、と思うまに、チャリの音が真後ろからして、俺は自転車を止めた。
まだ暑い夏の熱気をはらんだ夕日が眩しい。
そんでもって絶対に言えないけど、後ろに乗せてる彼女も。

無邪気に俺のシャツ握ってるのが、可愛い。
そんでもってそんなこと言えねーケド、たまに背中にあたる彼女の胸の質感と体温に、時々死にそうになる。
コイツ、無邪気をいいことに俺を殺す気じゃねーかと思う。
コイツはどうせ、そんな男心一切わかってない。ぜってえ、そう。

「あ、わりーわりー、花井。ノート貸したままなの思い出してさー。俺も今日復習しないとヤバいのよ。その・・・」

グチくんこと栄口が、俺たちの姿を見て、俺以上に照れくさそうにする。
それを見た俺もむずかゆい。
どーだ!って気持ちと、見られてたーっつう複雑な気分だ。

「わるいねー、その、アツアツなトコ・・・」

「べつに、普通に帰ってるだけだ!てか、アツアツっていつの時代だてめー」

「グッチん、はい、ノートありがと」

グチくんが今度は「グッチん」・・・・どんどん意味不明だ。いや、もう構うまい。
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