文章

□一寸前なら憶えちゃいるが
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缶の男、つまりは河上だが


ソイツと別れたあとどうやって家に帰ったのか

あまり意識が無い

癪だ いつもは名前だってすぐ忘れるのに


顔を洗って眼帯をする
手提げを持ってローファーを足に引っ掛けて乱暴に玄関を閉めた

でも鍵をかけるのは忘れない


教室には早くもなく遅くもなく着いた

窓側の一番前の席、隣は土方


「授業前からパン食べてるとか」

「しょーがねーだろ、朝練で腹減るんだから」

「だからって二個は食い過ぎ」

「ですよねィ」

「「うぉッ」」


斜め後ろから会話に割り込まれてハモってしまった




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