文章
□ハマから流れてきた子だね
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好きだとか愛してるだとか安っぽいと思っていた
○○のことを想うと胸がいっぱいとか正直あり得ないと思っていた
でもあの日 花びらの散る桜の樹の上で 屋上を見たとき 太陽の光を受けて立つ男がいた
隣には女を連れていたけれど 鬱陶しそうに手を払った彼は毎日そこにいた
人は彼を獣だと言った
でも自分は人だと感じた
元々歯の浮くようなセリフは得意じゃないし 隻眼の瞳を持つ人だと思ったほうがストンと落ちた
浮世離れした雰囲気と桜と風の匂いとが彼を魅惑的に感じさせた
興味を持った 初めてだった
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