文章
□ジルバがとってもうまくってよお
3ページ/4ページ
放課を告げるチャイムが鳴った
手提げを取って二年の教室へ向かう
「なぁ、河上いる?」
「あ、はい」
「ちょっと呼んでくれ」
声をかけられてこちらに気付いたアイツは鞄を取って、行こうと言った
「どこへ」
「桜」
校庭裏のフェンスを越えて丘についた
樹の幹に寄りかかって並んで座る
「制服、ブカブカでござるな」
「そうでもないだろ・・・、って何笑ってんだよ」
「ロマンでござるから」
何のロマンだか全然わからなかったが嬉しそうなのでそれ以上聞かないことにした
「俺の制服ヤニ臭いだろ」
「いや、晋助の匂いがする」
「お前の制服もするぜ、万斉の匂い」
色々混じってる でも変じゃない
落ち着くような 浮かれるような そんな匂い
俺の匂いって、どんなのなんだろう
万斉はどう思ってるんだろう
.