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□店をとび出していっちまった
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やっぱりもう会えない、会ったらいけない アイツにだって好きな奴くらいいるはずだ
だから、もう、今日で最後にしようって
「高杉?平気なのか?顔色が・・・」
「何でもない」
「ならいいが・・・、傷が」
「大丈夫だから」
「・・・・・・あまり、思い詰めるなよ」
「・・・あぁ、席戻るわ」
ヅラは顔を歪めていた でも見ないふりをした
余計に心配させるだけで優しくなんてなれないのだから
昔から上手く立ち回れない自分がどうしようもなく嫌いだった
ああすれば良かった、こうすれば良かったと後から思っても思っても思い足りないほど悔いるのに
今だって、そうだ
ヅラのこと考えてるのに浮かんでくるのは万斉ばっかりで 毒されて侵されて 麻痺していく
・・・苦しい、
こんなに苦しい・・・、
なんてドラマだろう ヘドが出る くだらない そう思っていたけれど 行き先を失った心は悲鳴を上げて 殺してくれと締め付ける
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