文章
□半年前にやめたはずさ
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風が水溜まりを揺らす
あぁ、行かなきゃ 俺はもう笑えるはずだから
教室にはまだ誰も居なかった
早すぎたか
手提げの中を覗いた
財布もあるし大丈夫だな
イスを引く
座ってみるとシンとした空気が案外心地よいことに気付いた
目を閉じる、穏やかだった
ヴヴヴッ
メール?誰?
受信:会って話がしたい
送信:わかった
辰馬に礼を言うより万斉に詫びるほうが先になりそうだ
しかも朝からサボりなんて まぁ今更だけども
受信:今からいつものコンビニに 昼飯は奢るから
・・・寝惚けてんのか、平日だぞ
送信:今日何曜日か知ってて言ってる?早退しろって?
受信:知ってて言ってる
今日1日晋助が欲しい
・・・・・・コイツは本当に俺を付け上がらせるのが巧い
どこのホストなんだ
せっかく早く来たのに無駄足ですかまったく
誘いにのっちまう俺も俺だけどよ
手提げを握って走り出す
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