文章

□半年前にやめたはずさ
2ページ/3ページ



風が水溜まりを揺らす


あぁ、行かなきゃ 俺はもう笑えるはずだから


教室にはまだ誰も居なかった

早すぎたか

手提げの中を覗いた

財布もあるし大丈夫だな

イスを引く
座ってみるとシンとした空気が案外心地よいことに気付いた
目を閉じる、穏やかだった


ヴヴヴッ

メール?誰?


受信:会って話がしたい

送信:わかった


辰馬に礼を言うより万斉に詫びるほうが先になりそうだ
しかも朝からサボりなんて まぁ今更だけども


受信:今からいつものコンビニに 昼飯は奢るから


・・・寝惚けてんのか、平日だぞ


送信:今日何曜日か知ってて言ってる?早退しろって?

受信:知ってて言ってる
今日1日晋助が欲しい


・・・・・・コイツは本当に俺を付け上がらせるのが巧い
どこのホストなんだ
せっかく早く来たのに無駄足ですかまったく
誘いにのっちまう俺も俺だけどよ


手提げを握って走り出す




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ