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□初心なネンネじゃあるまいし
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暗がりの下 ビカビカ光る外灯を横切る
腕を引っ張る力は緩まない


「い、ってぇな・・・おぃ」

「晋助、晋助」

「んだよ・・・」

「好きだ
ずっと・・・出会ったときから、いや、もっと前から、・・・ずっと好きだった・・・」

「っ!
お前・・・」

「何処へも行かせたくないんでござる」

「っ・・・ん、く、・・・ぁ」

「・・・拙者以外にもその顔を見せるのか?」

「は・・・・っ・・?」


何言ってんだコイツ
普通男が男にキスするわけないだろうが


てめェ以外の誰が俺を抱くってんだよ
てめェ以外の誰に俺が抱かれるってんだよ


そもそも好きでも何でもないヤツとは付き合わないこと知ってるだろ
なのになんでそんなこと


「意味がわかんねぇ
俺は誰彼構わずヤったりしない」

「・・・答えがほしいんでござるよ
もう、苦しい」

「俺はお前のこと気に入ってる」

「はぐらかすんだな」

「違う
俺は・・・上手く言えない」

「そうやっていつもすり抜けていく
他の人間と・・・笑ってるなんて・・・許せない
逃がしたくない
拙者だけを、・・・俺だけを見ろ・・・っ!」

「辰馬の、ことか」

「・・・・・・・・・。」

「・・・なんで、・・・なんでわかってくれねぇんだよ・・・
俺だって、俺だってお前のこと・・・
ちゃんと好きなのに・・・っ!」

「・・・・・晋助・・・ッ」




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