小説

□翼
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「隊長、方位2-8-0に敵影発見」
「なにぃ?本当か?」
「隊長、どうやら当たりのようです。レーダーに機影を確認。まっすぐこちらに向かって来ます」
「よーし、よくやった。迎え撃つぞ、全機旋回!!」

隊長の合図で全機旋回、相手の真正面を向く。

「機影は2機、おしラクショーだな」
「数で上回っていてもチンタラ飛んでたら落とされるぞ。あとお前は喋りすぎだ、少しは口数を減らせ」
「りょーかい、努力します」
「ほら来るぞ、ジャコ、インゲージ!」

隊長に続き、各機いっせいにガンアタック。敵機がこちらの攻撃を回避すべく散開、それを追おうとしたその時、

「−、ッ散開!!」

隊長の声に反射的に操縦桿を引きフットペダルを踏み込む。
その刹那、さっきまでいた空間を閃光が切り裂いていく。

「まさか、上!?」

アサノの言葉どうり上を見ると、先程散開したのとは別の敵機が迫ってきていた。

「チッ、まさか機影を重ねて来るとは」
隊長の言うとうりだ、まさかレーダー上の機影を重ねて来るとは思わなかった。
これが晴天なら目視で確認出来ただろうが、生憎今日は曇り空、隠れるにはもってこいだっただろう。
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