Novel Oshitari×Atobe

□内緒話
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「あ、跡部……?」
「もうてめぇなんか知らね!!!」
掴んでいた胸ぐらから手を離したかと思うと一目散に部室へと駆けていってしまう。
「跡部ー!!!」
跡部に少し遅れを取りながらも直ぐ様忍足も跡部を追って部室へと向う。


「何あの馬鹿ップル……」
「恥ずかしい奴らだな……、激ダサだぜ」
「跡部が忍足のアブノーマルな要求に答えてたなんて!!!」
取り残された三人が口々に想いの丈を語っていると、もう一人取り残された人物がやって来た。

「お前達、一体何があった?」

「「「……」」」




その頃の部室。

「跡部!!!」
忍足が部室に入ると部屋の隅で蹲っている跡部が視界に入り、直ぐ様駆け寄る。
背中を擦れば跡部の体は小刻みに震えていて、泣いているのがわかる。
「跡部、ゴメン……」
啜り泣く跡部からは許す言葉も罵倒する言葉も出てこない。
そんな跡部に何度も謝罪の言葉をかけ、背中を擦ったり髪を撫でたりする忍足。
そんなこんなで10分近く経っただろうか。
ようやく泣き止み少し顔を上げた跡部。
「ごめんな」
「……てめぇなんか大嫌いだ……」
久々に跡部が口を開いたかと思えばそんな言葉で。
すぐに許してもらえるとは思っていない忍足でも嫌いだと言われれば凹んでしまう。
「うん。跡部が俺のこと嫌いでも、俺は跡部のことがめっちゃ好きや」
めげずに跡部へ愛の言葉を囁く忍足。
「なら、なんで俺の嫌がることをしたんだよ?そういうこと言われるの嫌いなこと知ってるだろ」
「うん、ごめん。跡部のこととなるとつい……。せやけどこんなにキレイで可愛いヒトが恋人やねんで?つい自慢しとうなるんよ」
愛おしそうにレンズの奥の瞳を細めて跡部を見つめる。
「ばーか……」
跡部は忍足のその瞳に弱く、それ以上見つめられるのが耐えられなくなりフイッと視線をそらした。
「そやね、俺は跡部馬鹿や。跡部のことになると周りが全然見えへん」

忍足から跡部への数々の愛の言葉を聞いた跡部は徐々に機嫌を直していく。
結局跡部も忍足の事が大好きなのだ。
監督との話は実は半分うわの空だった。
忍足が他のレギュラーと仲よさそうに雑談していたのが気になって、聞き耳を立ててしまい聞こえてきたのがあんなことで。

「二度目はねーぜ」
忍足はその言葉に答えるかのように、跡部の唇にそっと触れるだけのキスをした。




2007/07/21 宮崎遥

初っ端一行目からお下品な台詞で始まったので、ここまで辿り着いた方がどれほどいらっしゃるのかわかりませんが(苦笑)
一応リアル中学生らしい忍跡・氷帝テニス部を目指して書いたつもりです
中学生って、しょーもないことで盛り上がったり、どんな些細な下ネタにも反応したりしますよね?

そして、被害者(向日、宍戸、ジロー+榊)のその後のやりとりが気になるところですよね(他人事のよーに;)
そこは皆さんお好きなよーに妄想しちゃってください(笑)
どんなやりとりがなされようとその後暫くは気まずくなる確立98%!!!
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