novel

□†報われないのは。†
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天下、天下

上洛、上洛



あぁっ、




ヘドが出る。




お前達の頭には
そんな物しか無いのか。

何故、人並みに生きることの幸せが解らない?

そう迄して、

人の命を踏み越えてまで、



人の上に立つことを望むのか。





「旦那、アンタは親方様の、何処に惚れ込んで付き従ってるの?」


嗚呼、
確か。



此が、
主への最後の言葉だったか。



「俺様はね、旦那の真っ直ぐな所に惚れたんだよ。


そう…。真っ直ぐで、人の心をちゃんと持ってるから。



いや、持ってたから…かな?」




主の戸惑いが分かる。



「何を申すのだ、佐助…?」



「猿飛佐助は、たった今

死んだんだよ。真田幸村。」













その日の宵。

武田信玄が負傷した。

一人の忍の手によって。

幸い、幸村の手によって忍は手傷を負い逃走。

結果、信玄は救われたのだが。


二人は


その
あまりに見覚えのある顔に
しばらく動けずに居たそうだ。




 
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