novel
□製作中
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「…馬鹿か…?此奴は。」
きつく閉じられた瞼に、川の字を刻む眉間。
----魘される位なら、下ろせば良いではないか。
元就は小さくため息を吐くと、元親の頬を軽く叩く。
「…これ、元親。…起きよ。」
数回ペチペチと叩くが、起きる気配はなく、逆に苦しそうにウンウン唸り始める始末。
元就は、なかなか起きる気配のない元親を見て、盛大なため息を吐いた。
一方の元親は
相も変わらず魘されていて。
たまに寝言で何事か呟いているが、呂律は回っておらず、聞き取れない。
----…諦めるしか、ないか
元就が諦めて眠りに落ちようとした直後の事だった。
「…………重い…………」
低く掠れた声が、微かに聞こえた。