longstory:BARARA
□Remember me 1
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それは、
夏の名残を残す、秋雨の降る日だった。
縁側に滴る雫の音に。
目を閉じて耳を傾けていた。
雨の日は、
なぜか二人とも話が続かなくて。
結局。
最後はこんな風に静まりかえって。
二人で居眠りをするんだ。
先に起きた方が、 勝ちだ。
『おまえ、居眠りしてただろ。』
この台詞が言えるのは、勝った奴だけ。
「元親。起きておるか。」
「おぅ。どうした?」
不意にかけられた言葉。
穏やかで。
心なしかまどろむような声。