ダーク・モア・ダーク

□幸福論
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「やめろ!!なぜ、そんなことをするんだ?!
そう叫んでいるのは私の夫。
私はにっこり笑ってこう言ったわ。
「勿論、決まっているわ。幸せだからよ。」
ますます困惑にみちた表情で私を見る夫に、私は苦笑した。
子供もいつの間にかベッドから起きて来て、いつものように私のところへ来ようとしたけど、「来ちゃ駄目よ」と叱咤すると素直に聞き入れて、こう言ってきたのよ。
「ママ。天使になっても僕のところにはちゃんと来てね。」ですって、本当におかしくて笑ちゃったわ。
私は手すりを掴んだまま、そっと屈んでOKしたの。
そして再び夫に向き合って、私はさっきと同じように「愛してる」そして「さようなら」を付け加えた。
夫が何か叫んだ時には私は真っ暗な空に身を任せたの。
怖くはないの…むしろ気持ちいいのよ。
でも、最後は頭から落下して、ぐちゃぐちゃになって警察とか救急車のお世話になるんでしょうね。
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