風の悪魔と腐女神
□日本のどこか分からないところで助けを叫ぶ
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森の中を一人の忍が、少女をだき抱え木々の隙間を、進んでいく。
時おり、おきかける少女に術をかけながら進んでいく。
眠らせる度なんとも言えない快感を忍は味わっていた。
やっと見つけた愛しい人。夢にまで見ていた少女に自分はいま触れているのだ。
あの頃は、何度も凶器的な欲にかられた。
接吻したい
噛みつきたい
触れていたい
引っ掻いてみたい
撫でてみたい
切り刻んでしまいたい
一見甘く見える考えそのものは、全てが凶器で。
彼女の夢見ているのは、どうか自分であるようにと願った。
【だだいま、そしてお帰り愛しい人】