風の悪魔と腐女神
□トリップした場所が安全だと思わないほうが良い
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私、飯々塚白は平凡な、そういたって変凡な人間だと思っていた。
もし変凡であるというのならば、極度のオタクであるということくらいであって。
もともと、漫画やアニメの世界に住んでいるわけではないので、某漫画のように錬金術が使えたりどこかの少年のように急に魔法が使えたりなんてことは尚更ありえないのだ。
ましてや、異世界トリップなんてもってのほかである。そう・・・叶うものだと思ってなかった。
(実際に叶ったら叶ったで嬉しいは嬉しいけれど)
所詮夢。そう、夢だからこそ楽しめたのに。
「このトリップの仕方はないでしょ」
「??おーい聞いてる??」
「………」
夢は夢のままにしておくほうがいい。誰かがそんなことを言っていたような気がする。
【トリップした場所が安全だと思わないほうがいい】